BRM療法はなぜ「そっと手を添えるだけ」で、骨のゆがみをなおしてしまうのか?
日々の施術ではBRM療法をメインに使っています。
大学では物理学を学びましたので、BRM療法を物理学的な視点から眺めつつ、日々の施術で使っています。
今回は、BRM療法を使って思っていることをお話ししていきたいと思います。
※ 以下はあくまでも個人的な見解です (^_^)
物理学的な意味で治療とは(1)
- Aという物体とBという物体があります。
- AとBが接触をします
- その結果、
A→A´
B→B´
というように状態が変化する。
このような行為を物理的な意味で治療と定義します。
物理学的な意味で治療とは(2)
痛みを抱えている人:
- 物理的に言うとエネルギー的に高い状態。緊張状態。
- 筋肉を収縮させるためにエネルギーを浪費しているので。
物理学的な意味での治療とは:
- エネルギー的に低い状態にもっていくのが治療。
- 体の組織に余計な緊張がない状態に持っていくこと、余計な力の抜けた状態に変化させること。
- 施術する側も多少なりとも変化します。
人体を物理学的な視点で眺めると・・・
- 心臓の鼓動
- 動脈の拍動
- 体内の微小な音(音波)
- 神経の電気信号
- 細胞膜を出入りする物質の流れ
・・・・・
波、振動の要素がいっぱい。
波の要素を持つ者同士が近づくとどんな現象が起きるか?
動画
- 複数のメトロノームを並べる
(例: https://www.youtube.com/watch?v=cDfFp34iJY4 )
- ろうそくを複数並べる
(例:https://www.youtube.com/watch?v=hUZbkZTD8jU)
- 多数の蛍の光
(例: https://youtu.be/sROKYelaWbo )
動画を見ていただくと分かるように、振動、ゆらめき、発光のタイミングがそろってくる
→「同期現象」というものが起きる
参考書
蔵本由紀著「非線形科学」 集英社新書 です。その本はこちら↓
この本の中で、特に興味をひかれたのが「第4章 同期とリズム」に書かれている集団同期現象です。
整体師が、痛みでお困りの方の身体に、そっと手を添えているうちにその方の痛みが軽くなっていく現象は、「生物学的リズム現象が示す同期現象」と見なすことができるなぁと思いました。
整体師の手から出る微妙な振動と、痛みで悩む方のからだの振動とが相互作用を起こして、その方のからだの振動の状態が別の振動状態に変化していると考えられます(もちろん整体師の手の振動状態も別の振動状態に変化しているはずです)
こういった現象は”超そっと”手を添えてないと起きない現象ですが、なぜ”そっと”でないといけないのか、その理由も「非線形科学」を読んでぼんやり見えてきました。
同期現象とは
- 振動子(群)が何らかの相互作用や周期外力の作用によって振動タイミングを揃える現象。同期(synchronization),あるいは引き込み(entrainment)と呼ばれる.
- 同期現象が起こるためには、振動子同士が 適度な強さで相互作用することが必要。相互作用の強さは、強すぎてもダメ、弱すぎてもダメ。
同期現象という視点からBRMによる治療を眺めてみる(1)
・治療においても、同期現象が起きるためには、患者さんの振動と施術者の振動が適度な強さで相互作用することが必要。
・どれくらいが適切か?
どれくらいの振幅、周期で体が振動しているか確認してみる。
例えば手。
手がどれくらいで振動しているか、じっと手を見てみる・・・・
→見てみても、振動しているかわからない ^^;
おそらく0.1mm以下の振幅。微小な振動。
同期現象という視点からBRMによる治療を眺めてみる(2)
・患者さんと施術者の振動が同期現象を起こすためには、日常生活で物を扱うときの触れる強さに比べて、微弱な強さでよい。
・強く触れると、波としての性質が失われ、同期現象が起きない。結果として、患者さんの状態も変化しない。
・治療においては、患者さんの振動状態が今の状態から変化し始めることが大切で、両者の振動状態が一致するまで待つ必要はない(と思います)。
BRM療法と他のやさしく触れる系の療法との違い
- 触れるだけでも患者さんの体はゆるんで、エネルギー状態は下がります。
- 下がるけど、数ある準安定状態の中のひとつを取るに過ぎず、その状態が一番安定な状態かどうかは分からない。
- 皮膚誘導で組織を最適な位置に誘導することで、エネルギー的により安定な状態に持っていけるのがBRM療法の特徴。
BRM療法と他の療法との違い
- 患者さんの組織の配置を整えるために、他の療法は、揺らしたり、叩いたり、押したり、引っ張ったり・・・比較的大きめな物理的なエネルギーを患者さんに加えている。
- 外から加えるエネルギーが大きいので、場合によっては患者さんの状態を低いエネルギー状態に変化させるどころか、より高いエネルギー状態(より辛い状態)にしてしまう危険性がある。(BRM療法はその危険性がはるかに小さい)
まとめ
・BRMで患者さんが良くなっていくのは、
①施術者が、患者さんにそっと手を添えることで、同期現象が起き、患者さんの状態が変化するから。
②安全な皮膚誘導によって最適な位置に組織が落ち着くのため。
・患者さんと施術者の間で同期現象が起きるためには、施術者は、日常生活で物を扱うときの触れる強さに比べて、微弱な強さで触れる必要がある。
・強く触れると、波としての性質が失われ、同期現象が起きない。結果として、患者さんの状態も変化しない。
施術がうまくいってないなぁと思うときは
- 同期現象が起きる条件が満たされていない→「波」という特性が出るようにする→ それには接触圧を弱くする
- 自分の方が患者さんより体がつらい、ストレスが溜まっている、心身ともに緊張している・・・ような状態だと、患者さんのエネルギー状態を下げることができない ( 自分のほうが高いエネルギー状態にあるので )
→自分がより良い状態に居続けられるような生活をすることが大切(フローな状態を維持する)。
そのようなことを日々思ってBRM療法を使って施術をしています (^-^)
※ あくまでも個人的な見解です (^_^)
セルフケアにもおすすめ
BRM療法創始者 吉田邦夫先生の著書「手を添えるだけで、骨のゆがみがなおる!」。
セルフケアの方法も紹介されてます。
興味のある方は読んでみてはいかがでしょうか (^_^)